退職代行というサービスが増えてきており、ニーズが高まっています。
例えば転職がきまり、いざ今の職場を退職しようとしてもなかなか辞められない事情がある方などが利用するケースが多いです。
そういった悩みを解決するために、転職代行サービスを利用することで、求職者がスムーズに次のキャリアにステップアップできるでしょう。
でも民間企業や労働組合、弁護士など運営元もたくさんあるので、どれが良いのか迷いますよね。
そこで今回は退職代行サービスのメリットや金額、利用の流れを紹介し、注意点と誤解しやすいポイントを解説します。
おすすめの退職代行サービス | ||||
---|---|---|---|---|
退職110番 | 弁護士が運営 訴訟や複雑なケースに対応 | ¥43,800 | ||
労働組合が運営 交渉権もあり | ¥24,800 | |||
民間企業が運営 転職エージェントも併用可能 | ¥22,000 |
退職代行サービスとは?
退職代行サービスとは、労働者の本人に代わって退職の意志を就業先の企業に伝えることです。
退職代行サービスの中でも多いのが
「ブラック企業で退職の意志を伝えづらい」
「会社に出社せずに退職したい」
「後任者が育つまで退職できないといわれた」
などの理由でサービスの利用を検討する方が多いです。
そのような悩みを解決するための以下のサービスがそろっています。
退職代行のサービス①
退職意思の伝達
就業先の企業へ退職の意志を伝達します。
この際本人の意志に基づき代行している点や、今後出社できない旨なども伝えることが多いです。
民法上では退職の意志表示から2週間で退職が出来ますので、その間有給を使用するか欠勤をするかなど退職日の希望や今後の流れを話します。
【期間の定めのない雇用の解約の申入れ】
参考:e-Gov 民法第六百二十七条
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
退職代行のサービス②
会社との連絡対応
手続きのやりとりに関しては全て退職代行サービス業者に任せて問題ありません。
本人は退職代行サービスの担当者とやりとりをするだけで良いので、職場の方と連絡を取る必要がなくストレスを掛けずに手続きが進みます。
しかし残業代・退職金の請求や労働災害保険の申請など、この後にお伝えする労働組合や弁護士しかできない一部の申請については、民間企業が運営する退職代行業者は対応できません。
もし「精神的ダメージを受けて業務や日常生活に支障がでたから慰謝料を請求したい」などの訴訟問題に発展しそうな場合は、最初から弁護士が行う退職代行サービスの方が、情報を共有している分効率よくスムーズに進んでいくでしょう。
退職代行のサービス③
退職書類の作成・請求
退職に必要な書類も作成します。
就業先に専用のフォーマットがある場合はそちらを請求し、直筆が必要な場合は郵送などでご自宅まで送付することが多いので、出社の必要はありません。
退職代行のサービス④
有休休暇・退職日の調整
有給休暇の残日数や本人の希望を確認した上で退職日の決定を行います。
理由に応じて即日退職が可能な場合もあり、就業規則や本人の有給残日数を確認した上で調整していきます。
退職代行のサービス⑤
私物・返却物の調整
就業先から貸与されている備品や制服などを返却したり、会社に残っている私物について調整します。
できるだけ私物は退職代行サービスを利用する前に回収しておいたり、何を貸与されているかを事前に確認をしておきましょう。
退職代行サービスのメリットとは?
退職代行サービスの相場は1万円~10万円と決して安い金額ではありません。
しかし年々需要が高まっている背景には日常的なパワハラや退職の意志を伝えることに対する慰留ハラスメントがあります。
退職の意志を示した従業員に対して、引き止めを行い困惑させることです。「退職するなら損害賠償請求する」「この業界で働けないようにするぞ」というようなものがあります
このような理由から退職代行サービスを利用する方が年々増えてきており、そのメリットをご紹介します。
退職しづらい人のサポートになる
退職しづらい人のほとんどが就業先の人間関係に悩んでいる方です。
ただでさえ精神的に疲れてしまっているのに、自分で退職を切り出し、退職までの間肩身が狭い思いをしたくない…
そんな方にメリットを感じていただけると思います。
慰留ハラスメントを受けず100%退職できる
まだ退職の意志を伝えていない方であれば、自分から切り出す必要がないので、先ほどの慰留ハラスメントを受けません。
また退職する権利は民法で保障されており、就業規則よりも民法の方が優先されるため100%退職できます。
無駄な引き留めを受けることのストレスや、申し訳なくなって退職を諦めてしまうことで、今後の人生に大きく影響を受ける可能性もあります。
”退職すること”自体に悩まずに、新しいステップを踏むことができるのが退職代行サービスです。
【運営元別】おすすめの退職代行サービス
退職代行サービスの運営は民間の退職代行業者、労働組合・弁護士の3つに分けられ、それぞれ業務の範囲が異なります。
運営元 | 退職意志を伝える | 会社との交渉 | 訴訟対応 |
民間企業 | ○ | × | × |
労働組合 | ○ | ○ | × |
弁護士法人 | ○ | ○ | ○ |
この業務の範囲を踏まえて、それぞれの運営元別でのおすすめの退職代行サービスをご紹介します。
民間の退職代行業者
退職代行モームリ
なんといっても魅力は22,000円という低価格な料金でありながら、退職までのサポートだけでなく、社会保険給付金サポートや転職支援・メンタルクリニックの紹介など退職にまつわる悩みを解決できるサービスが充実しています。
退職代行モームリは転職支援サービスを行っている株式会社アルバトロスが管理をしており、退職代行サービスを利用後にアルバトロス転職
このように様々なサービスを展開しており、退職代行サービスとしての満足度も非常に高いため、民間の退職代行業者の中でおすすめしています。
労働組合運営
退職代行ガーディアン
また利用料金は24,800円と比較的低価格で、民間の退職代行業者にはできない交渉権があるため
「未払いの残業代があるのだけれど…」
「有給の扱いをどうしたらいいの?」
とお悩みの方におすすめです。
弁護士運営
退職110番
退職110番
料金は43,800円と他の運営元よりは高く感じますが、他の弁護士運営の退職代行サービスの中では比較的良心的と言えます。しかし法律のプロに任せるということは安心感という大きなメリットがあります。
例えば費用だけで決めてしまい、後から結局弁護士へ依頼したケースであれば、相談料から費用が発生してしまうため、最初から弁護士運営の退職代行に任せておいた方が良いでしょう。
「就業先から退職するなら損害賠償を取ると言われた」
「未払いの残業代がある」
「精神的なダメージを受け、慰謝料を取りたい」
という方は弁護士が運営する退職代行サービスの利用がオススメです。
\ 弁護士運営の退職代行サービス /
複雑なケースや残業代・慰謝料請求も可能
退職代行サービスの注意点と誤解されやすいポイント
退職代行サービスを検討されている方向けに気を付けてほしい注意点と誤解しやすいポイントがありますので、それをお伝えします。
自分にあった運営元の退職代行サービスにする
例えばアルバイトの方が「入社してすぐ退職したいけど言いづらいな」というレベルの方であれば、弁護士運営でなく、民間企業の退職代行サービスで十分ではないかと思います。
反対に「未払いの残業代や借入金がある」という複雑なケースは民間企業の退職代行サービスでは解決しきれず、2度手間になってしまう可能性があります。
このように、知名度や金額だけで退職代行サービスを決めてしまうと、後々後悔してしまうケースがあるので、事前に自分に合う退職代行サービスを選びましょう。
不安があればまず問い合わせをしてみて「このケースは対応できますか?」など確認をしてみるのも良いでしょう。
「監修」「提携」は運営には関係ないので注意
「弁護士監修」「労働組合提携」などは直接運営しているわけではないのでご注意ください。
特に未払いの残業代や有給休暇の取得依頼は労働組合の交渉権・弁護士の弁護士資格がなければ交渉できません。
「監修」「提携」の場合は弁護士や労働組合が必要な場合に、そもそも依頼に応えられない場合や外注するため別途高額な費用がかかるケースもあります。
弁護士資格のない業者は法律に関わる具体的な対応は弁護士法に違反する可能性あります。
また退職代行を依頼した方も退職の無効や損害賠償請求のリスクがあります。
退職代行に関するよくある質問
退職代行サービスについてよくある質問を紹介します。
- 本当に退職出来るか不安…
基本的に退職代行へ依頼すれば、退職出来ます。
法律上でも退職の意志を伝えてから2週間で退職が可能で、その2週間も理由に応じて即日退職することができます。
また雇用期間の定めがある契約社員の場合でも、やむを得ない理由があれば即日退職を交渉します。- 有給休暇は消化できる?
有給が残っている場合は、消化してから退職が可能です。
交渉が必要な場合は労働組合や弁護士が運営する退職代行サービスに依頼しましょう。- 職場の人から直接連絡が来たらどうする?
基本的に会社側へ本人への連絡を控えるよう伝えています。
しかし中にはそれでも連絡をするケースも稀にあるため、その場合は無視して問題ありません。
不安な方は弁護士に依頼した方が、代理人として対応してくれるので安心できます。- 親や緊急連絡先に電話される?
親や緊急連絡先に電話される場合は、本人に連絡が取れない場合や重大なトラブルがある場合です。
退職代行サービスを利用された場合、ほとんどのケースで連絡がいくことはありません。- セクハラに悩んでいるから女性スタッフに対応をしてもらえる?
退職代行サービスによっては女性スタッフが対応をしてくれるケースもあります。
今回紹介した退職代行モームリは希望があれば女性スタッフに対応してもらえます。
しかし退職代行業者によっては男性しかいないケースもあるので、事前に確認しましょう。- 辞めるなら損害賠償請求をすると言われた。それでも退職できる?
退職は労働者の自由です。
よほどの過失が無い限り、労働基準法で労働者は保護されているのでほとんどが「脅し」です。
また不安な方は弁護士が運営する退職代行を利用した方が良いでしょう。- 社宅に住んでいる場合退去日はいつ?
原則的に退去日は退職日になります。
社宅や寮はあくまで会社の福利厚生になるため、会社の指定日に退去する必要があります。
交渉が必要な場合は労働組合か弁護士運営の退職代行業者に依頼した方が良いでしょう。
まとめ
退職代行サービスは近年ニーズが高まる一方で、退職代行サービスを行う業者が増えてきています。
その中で自分の合う退職代行サービスを見つけることでスムーズに退職をし、次のステップに向かうことにつながるでしょう。
また価格だけで判断するのではなく、必要なサービスが整っているかを吟味しましょう。
今回ご紹介した退職代行サービスを利用して、退職によるストレスをなくし、より良い転職や人生になれば幸いです。
\ 弁護士運営の退職代行サービス /
複雑なケースや残業代・慰謝料請求も可能
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